前回
Chapter.1
夜明け
数々のプレイヤーに絶望を振り撒いた絶望神サガが、8月11日付けで殿堂入り。遂にサガループ一強体制が終わりを告げる。
長かった夜も終わり、アドバンス環境は漸く独自の道を歩み始めることとなる。
モルトNEXTやガイアッシュ覇道等の前アドバンス環境覇者に加えて、ビクトリーベストからはサムライも本格参戦。
更にレジェンドスーパーデッキ禁王創来にて最強クラスの黒のファッティである終末縫合王 ザ=キラー・キーナリーが降臨。零龍系デッキもワンランク上の力を得ることとなり、環境トップを巡る熾烈な戦いが幕を開けた。
サガ環境にてその実力を証明したモルトNEXTは当然環境最前線へ。
強さもそうだけど、組みやすさやアドバンスの顔的なイメージも相まってか母数もとんでもないことになっていた記憶。
元祖・アドバンスの覇者。
強さ自体は間違いないものの、モルトNEXTとの直接対決が足を引っ張って以前程の力は発揮出来ていない。どちらかといえばTier2に居座っての雑魚狩りに勤しむポジション。
オリジナルで一足先に環境入りを決めたサムライが、サイキッククロスギアを手にアドバンスにも堂々参戦。
崩し性能がとにかく凄まじく、モルトNEXTを受けようとしている小賢しいデッキを全て撃ち落とす活躍を見せた。今年のインフレすごいなぁとか思ってたけど、まさかこれが序章に過ぎないとは…。
謎裁定を引っ提げ突如環境入りを果たした問題児。
ぶっちゃけ穴も多いデッキではあったものの、モルトNEXTに有利がつく崩し山としてそこそこのポジションはあったなと今でも思う。
ザロストの殿堂で崩壊したかと思われた最凶理不尽デッキも、コンヤクを手に復活。
あくまで選択肢ではあるものの、このデッキもキーナリーの恩恵はかなり大きく詰め性能に磨きがかかった。モルトNEXTとテスタ両方に勝ち越せるデッキとして一定の存在感は保てていたかなと。
Chapter.2
今年度を代表するハイパワーパックである魔覇革命はアドバンス環境のデッキ達にも大きな変化を生んだ。
なんといっても、前期はパッとしない立ち位置にいたガイアッシュ覇道がレイクポーチャーを取り込んだのが重要なトピックス。課題だったモルトNEXT対面をある程度克服し、アドバンス界のオールラウンダーとして完全復活を遂げた。
また、サムライもポッピ・冠・ラッキーを手に更に立ち位置を向上させる。モルトNEXT絶対王者の環境に、ここにきて待ったがかかる。
しかし、革命チェンジの復活と共に齎されたインフレはこの程度に留まらない。
オリジナル環境の覇者アナカラージャオウガと、オリジナル随一のスピードスター赤青マジックがアドバンス環境に殴り込みをかける。これまでのオリジナルデッキと次元の違う強さを持つジャオウガとカクメイジンによって、アドバンス独自のパワーバランスは完全に崩壊。王者不在のまま戦いは次のステージを迎えることとなる。
レイクポーチャーの登場でコントロール性能に磨きがかかったガイアッシュ覇道。
レイクポーチャーからハヤブサマルを回収するという動きが決まればモルトNEXTすらなす術がなく、かなり善戦出来るようになった。元よりモルトNEXT以外に敵が存在しないデッキだったので、この時期としては頭ひとつ抜けた強さを誇る。
こちらもモルトNEXTが天敵だったサムライ。
冠ラッキーのスペックは凄まじく、絆のないモルトNEXTには最早有利をつけられる勢い。武者ムサシから踏み倒せる点も優秀で、刻みのプランが太くなったお陰で立ち回りの幅もグッと広がった。
もうこの時期のサムライに関してはどちらかといえばコントロールデッキって印象が強い。従来の前寄せな戦い方と、除去&冠によるコントロールプランを使い分ける強力なデッキだった。
オリジナルからの刺客その①
並行世界での立場を揺るぎないものとしたジャオウガが龍の世界の権化たるアドバンス環境に乗り込むという、マジで狙ったんじゃないかと思ってしまう程の綺麗なストーリー。
この時点ではまだまだ構築が定まっていなかった印象。特に5000VTの採用の有無は度々話題に上がっていたテーマ。
オリジナルからの刺客その②
環境への刺さり云々というよりは普通に攻撃力が高くて環境入り。というか盾4枚の相手にダブルブレイクをぶち込むとかいうアドバンス適性皆無な動きをしているので寧ろ環境的には逆風まである。それでも暴れてるのがヤバい。
とはいえどもこちらもアナカラー以上に荒削りで、まだまだ活躍は控えめだった印象。ここから少しずつ進化していく。ボンキゴマイム、弱かったなぁ。
Chapter.3
激戦 龍VS鬼
前環境の興奮も冷めやらぬまま、デュエキングMAX2023が発売。
邪帝斧 デッドアックスに頂上接続 ムザルミ=ブーゴ1stといった久々の外部ゾーンカード新規に、頂上連結 ロッド・ゾージア5th等の強力なドラゴンがまたしても環境を塗り替える。
真っ先に新規を使いこなしたのはガイアッシュ覇道。ロッドゾージアとデッドアックスによってコントロールデッキの頂点へと君臨。モルトNEXT対面が更に改善された他、前環境で苦渋を飲まされたアナカラージャオウガにも勝ち越せるようになった。
しかしそれだけでは終わらず、今度はガイアッシュ覇道へのアンチデッキとしてムザルミ天門も環境入り。安定4キルソリティアとしてアドバンスに定着した。
激化するゾージアの投げ合いに対応すべく、最終モルトを引っ提げ4Cドラグナーも復活。ゾージアに勝てる18000ラインが光り、相手のゾージアを踏み潰しながらこちらだけゾージアを押し付けることが可能。
と、様々なデッキが活躍するも。落ち着けば今度はジャオウガのターン。結局ガイアッシュ覇道以外まともにアナカラーに勝てない。
最早万事休す、アドバンスもまた鬼の歴史に飲み込まれていくのであった…。
いよいよ完成系、今年の集大成。
力押しでは勝てないアナカラー相手にガイアッシュで睨みを効かせられたのは、現在でも唯一無二の個性なのでやっぱり評価は高め。ただまあ、不利対面が増え過ぎた。
アドバンスに舞い降りた新たな即死コン。
デッドアックスやガイオウバーンを使い分けてウェルキウスの効果を連続で起動させ、ありえない盤面を作り上げる。4ターン目にSAのゲンムが顔面に突っ込むなんてのも日常茶飯事。
約一年のブランクを経ていよいよ環境復帰。
とはいえザーディクリカによるコントロールを強みとしていた一年前とはまるで別デッキ。デッドアックスによって強化されたモルトを全力で味わい尽くすデッキへと変貌した。
デッドアックスの振り合いにおいては右に出るものが存在せず、受けもそれなり以上の硬さはあり弱いデッキではないもののアナカラーが目の上のたんこぶ。
デュエキングの登場によって間接的に強化されたのがこのデッキ。結局デッドアックスの影響を殆ど受けず、ドラグナー系の台頭により全体的な速度も落ちたため戦いやすいフィールドが整ってしまった。
この時期になると既にマジック程度しか実質的な敵は存在しなかったため、先手でメイデン→アーテルの勝ち筋を太く押しつけられるこの形が好み。マジックに勝ちつつパワーを落とさずに戦えるのでドラグナー系にも強く出られる。
Chapter.4
画竜点睛
ジャオウガがこのまま独走体制に入るかと思いきや、まだまだ今年は終極らない。
竜皇神爆輝に収録された氷柱と炎弧の決断によって、マジックがいよいよ最終形態に。
その実力は凄まじく、既存のBIG6(ジャオウガ、マジック、ガイアッシュ覇道、モルトNEXT、ムザルミ天門、4Cドラグナー)内での直接対決にて全てに有利がつくように。ここまで露骨な一強体制はサガ殿堂後初であり、現状の上位デッキでは誰もカクメイジンを止めることが出来ない。
ここにきてカクメイジンが全てをぶち抜く結果となったが、まだまだ新環境は始まったばかり。
2023年の終わりと共に、アドバンス環境も新たなステージへと突入する。
他の追随を許さない絶対王者。
コールドフレイムによって安定感、火力共に爆発的に向上。カクメイジンがやや苦手としていた横並びも克服しており、攻めのパターンがこれまでの比にならない程広がっている。
現状の火力もJO退化に匹敵するものがあり、来年以降の活躍にも非常に期待がかかる。
新たなる刺客ことデイガドルマゲドン。
パッと見はルドルフのガチャガチャデッキにも見えるが、その実態はゾージアコントロール。
要するにゾージアで時間を稼ぎながらドルマゲドンのカウントを進めることでドルマゲドンの弱点である足の遅さを克服。ゾージア視点でもリソース管理を甘えられる(仮に手札が無くなってもコマンドを引けばいいからトップがめちゃくちゃ強い)ドルマゲドン基盤との相性は良く、ここの強力な共生関係こそがこのデッキの本質となる。
ゾージアを間違いなく最も使いこなせるデッキであり、こういう見た目の割に非常に強力。今後の動向に注目したいデッキの1つ。
☆今日の一曲
ハクチューアラモード / みらくらぱーく!