☆コンセプト
受けの枚数確保と色バランスの両立
ぶっちゃけた話、白緑天門というアーキタイプを使う理由に添って考えるなら別に受けが必須という訳ではない。そもそもどれだけ受けを積もうがマジックには不利であり、マジック以外を圧倒出来るだけのパワーを確保するというのも一つの組み方になる。
とはいうものの受けが4枚の構成ではマジック絶対正義環境であまりにも使い勝手の悪いデッキとなってしまい、立ち位置が良かったとしてもそもそも使用までのハードルが極端に高くなってしまう。また対マジックを意識したデッキ達もなんだかんだ殴るケースが多く、盾を強くする行為が対マジックにおける優位性に留まらなくなったのも相まって、現状は可能なら踏ませていきたい環境であると考える。
☆個別解説
・水雲の聖沌 5u170n
→7コスじゃないとか種族とかパワーとか言いたいことは色々あるものの、個人的に一番気になるのは緑を持たないこと。
デッキとのシナジーがあるトリガーでもないため、はっきりいって受けさえ成立すればなんでもいい。というわけで緑で使えそうなトリガーも一通り探してみた。
が、緑のトリガーは多色まで込みでも強いものが少なく精々この辺り。
アグンテに関してはそもそも先3カクメイジンに踏ませたところで微塵も勝利に貢献しないので論外。こういうデッキに採用しても仕事するトリガーではない。(緑にありがちな「このターン攻撃できない」系のトリガーも同様の理由で却下)
キューブはハズレがそこそこある、どころの騒ぎではなくマジックの殺傷力を鑑みるとウェルキウス、ムザルミ以外では攻撃を止めきれない。エモーショナルは攻撃そのものは止まるものの返しのターンで勝てるわけでもなく、ぱっと見良さげなペルフェクトも盤面次第ではカクメイジンチェンジドギラゴンXでリーサルが入る。ゲンムですら返しのスターゲイズが止まることを考えると普通に突破されてしまう。
そうなれば緑以外の受け札に丸投げする魔方陣だが、相手に何をどこに埋めたのかがバレバレな以上覚悟を持ってそこを攻撃されてしまい、赤青マジックの覚悟を持った攻撃なんてのは当然受かるはずもない。
どうやっても4ターン目しか動けない以上先3カクメイジン相手にはターンを貰ったところでまるで意味がなく、であれば折角積む以上踏ませて即勝ちに繋がるトリガーじゃないと積みたくない。結局この条件を満たせるトリガーはスイトンくらいしか存在しない。
スイトンはスイトンで先3カラクリバーシにめちゃくちゃ踏み抜かれるしやっぱり微妙ではあるものの、現状のプールではこれが限界。(チョイスとかネットワークも考えたけど手札の要求が上がって受けの安定性が落ちる)
マジック以外へ踏ませた時の刺さりも深く、トリガーを積むなら基本的にこのカード以外の選択肢は存在しない。緑を採りたいなら他の枠で調整するしかない。
・神聖龍 エモーショナル・ハードコア
→詰め用のカードではあるものの、一連の展開をこのカードで〆るのは圧力が低く出すタイミングが少し難しいカード。
ないと零龍や禁断に盤面を返される恐れがあるアドバンスにおいて0では戦えないものの、メインの展開には絡まず色も弱くとかなり足手纏いなカード。
平たく言えば、このカードを1枚にするために色々と枠を調整してメインデッキの緑を増やしてみたのが今回の構築。
・邪光魔縛 ネロマノフ=ルドルフI世
→デュエパデッキより参戦の、頼れる新戦力。
マナゾーンに置いてしまったエモーショナルを触りにいけるカードでブロッカー。これだけだと競合としてベンも挙げられるが、ヘブンズヘブンで出した場合の展開力で差が生まれる。
具体的に流れを見ると、巨大→フェアリーパワー→スターゲイズと動いた後に出すベンは3ブーストしてくれるものの、真ん中がギャラチャだったりそもそも巨大スタートじゃなかったりもして実際は2ブーストや1ブーストに収まることもしばしば。
これの何が問題かというと5の段階での2ブーストでは次のターン8マナまでしか届かず、ウェルキウスやムザルミといった主戦力に触れないためベンを出してもすぐさま後続を叩きつけるという動きを取りづらい。
その点ネロマノフは、ブースト枚数の上限こそ決まっているものの回収効果で天門や踏み倒し先を回収して次のターンにも息切れせずに展開に繋げることが可能で総合的な攻撃力ではこちらが上回る。
地味ではあるものの使い勝手がよく割とオススメの1枚。そもそもスペックが互角ラインならエンコマ持ちの方が強いしね。
・滅殺刃 ゴー・トゥ・ヘル
→禁断カウンターに対するアンチカード。もとよりデイガドルマゲドン相手にエモーショナルを投げている暇はないのでドキンダムのケアが出来るだけでもちゃんと変わる。
ネロマノフのゴートゥの採用でエモーショナルを1枚にしてしまってもそこまで違和感なく回せるようになった。
・終わりの天魔龍 ファイナル・ジ・エンド
→VSデイガ用。
デイガドルマゲドン対面はドルファディロム、ドルマゲドン辺りのカードがタイムリミットをかけてくるため素早くゲームを畳む必要があり、かつゾージアに展開を妨害される都合上最初の展開で如何に効率良く打点を置けるかが鍵となる。
相手が何かを出していればそこを起点に出来るが、盤面が空の場合でありがちなパターンがウェルキウスムザルミからヘブンズヘブン設置、終了時ムザルミ踏み倒しというもの。
この時点でブロッカーが3体いるためターン開始時を迎えればヘブンズヘブンを裏返せるものの、ゾージアで1体持っていかれると展開が制限された上にヘブンズヘブンも裏返らず…と負けパターンに入ってしまう。
そこでムザルミからブロッカーを嵩増しすることで、1体除去されても3体残り、ネバーラスト込みの打点で押し込めるケースが大きく増える。
ブロッカーのエレメントは他にも候補はあるものの、デッドアックスからの装備候補としても有用なビギニングスタート面があり、そもそも対デイガ意識な以上ドルファディロムに破壊されないのも重要なステータスなためファイナルジエンド推奨。軽減もたまに使う。
☆総評
マジックの苦手なデッキをしっかりと仕留められつつ、マジック相手にも4割程度の勝率は確保出来る非常に強力なデッキ。
基本的にマジックとこのデッキだけでアドバンス環境を戦い抜くことができ、現環境の双璧の一角といっても過言ではない。
とはいえマジックには総合力や直接対決において大きく水をあけられているため基本的にはそっちをメイン運用で。サブ用にこのデッキも使えるようにしておけば、特にアドバンスで困ることはないはず。
☆今日の一曲
咬福論 / 三船栞子